治療費用はどのくらい?
私の場合は初診料は保険3割負担で「2760円」でした。
薬局で1週間分の薬をいただいたときは同じく「510円」でしたので、SAD(社会不安障害)の治療費はそれほど高額な負担にはならないと思います。
※ちなみに2回目の診察時は「1500円」、2週間分の薬で「680円」でした。
ただし、服用する薬や治療期間、治療の種類は患者の状態に合わせて違ってくるために、費用もそれぞれ異なると思います。
上記の金額は一例だと思ってください。
医療費控除ができる場合も
SADでの治療に限ったことではありませんが、1年間で10万円以上の医療費用がかかった場合は税務署に申告すると、所得税などの税金の一部が還付されます。
医療機関からもらった領収書は必ず保管し、1年間の合計金額が10万円を超えるようでしたらお住まいの地域の税務署に相談してみましょう。税務署員さんも親切に対応してくれると思います。
※なお、医療費には服用する薬の費用も含まれるので、薬局からもらった領収書も保管しておきましょう。
治るまでの期間は?
SAD(社会不安障害)の治療を行うにあたって、投薬治療はどの医院でも行います。患者の緊張感や不安感をやわらげるために薬の力は必須といってもよいですが、この投薬期間は半年~数年ほどになることが多いです。
薬によって症状を緩和し、今まで避けてきた状況にも自然と対応できるようになります。その過程で今までの自分と違った新たな行動パターンが確立されてゆき、薬の力に頼らずとも行動ができるようになればSADを克服したと言えるでしょう。
限定型と全般型の違いにもあるように、基本的に治療の期間は限定型の人ほど早く治り、全般型の人ほど時間がかかる場合が多いです。
SADには「一瞬で治る薬や方法」というものは存在しません。しかしながら、同時に個人差はあるものの、時間さえかければ必ず治る病でもあります。
ある程度の期間をかけて徐々に治してゆきましょう。
※なお、薬の効果は最初に服用した次の日にすでに感じる人もいれば、1ヶ月くらいの時間が必要な人もいます。また、薬の種類も個々人の症例によってかなり違ってきます。
いずれにしても根気がいります。
必ず治ることを信じてがんばりましょう!
全般型と非全般型の違い
SAD(社会不安障害)には大きく分けて2つのタイプが存在します。それは全般型と非全般型として区別されています。
ここではそれぞれのタイプについて解説してゆきます。
非全般型のタイプ
まずは「非全般型」のタイプです。
非全般型のタイプはある特定の状況にのみ強い不安を抱くタイプです。
例えば、人前で電話にでるのは問題なく対応できるのに、職場での会議や知人の結婚式のスピーチでは非常に緊張してしまうという人は非全般型のタイプと言えるでしょう。このタイプの人は40代まで社会生活を問題なく過ごしてきたのに、ふとしたことがきっかけで突然SADを発症してしまうというケースが多くなっています。
この非全般型のタイプの患者は比較的治療が容易で、場合によっては数ヶ月で克服できる人もいます。
全般型のタイプ
次に「全般型」のタイプです。
全般型のタイプはチェックシートで診断!にある状況に対してほとんどの項目で苦手意識をもっている人です。
このタイプの人は社会生活を送ること自体に大きな障害が起こり、精神的な苦痛を感じるのもより大きいケースが多いです。発症するのは比較的若い年代の人が多くなっており、放置しておくと人前に出るのがますます困難になってゆきます。
ゆえに、全般型の人こそ迷わずに治療を受けましょう。
いずれのタイプの場合も必ず治療で治すことが可能ですし、例え非全般型のタイプでも社会的な不利益をこうむることはほぼ避けられないので、早期の治療があなたを救います。
関連しやすい病気
もしあなたが「SAD(社会不安障害)かも?」と感じたら、早めに医師の診察を受けてください。
SAD患者は人前に出るような状況を避けようとする傾向があるために、それを放置しておくと「ますます人前に出たくなくなる」という悪循環に陥ってしまいます。
すると今度は「うつ病」や「パニック障害」などの病気を呼び起こしてしまう可能性もあります。
なぜなら、実は「うつ病」も「パニック障害」もSADと病気のメカニズムはほとんど同じなのです(ただ、SADの場合は社会生活を何とか送ることは可能ですが、うつ病やパニック障害は日常生活を送ること自体が困難であるという差があります)。
SADは放置していても治る病気ではありませんし、放っておくとますます人との関わりがうすくなり、社会生活が困難になってしまいます。
必ず治療は早めに行いましょう。
SADなのか性格なのか
「ただの恥ずかしがりやだと思っていた」人が実はSAD(社会不安障害)であったという例は非常に多くあります。しかし、反対に「SADだと思ったら、単に性格の問題だった」という例も少数ですがあります。
実際のところ、境界線はあいまいで、その線引きが難しいのも事実です。
チェックシートで診断!のページではSADかどうかが診断できますが、点数がSADかどうかの境目あたりであった場合は判断に迷うところです。
しかし、このサイトをご覧になっているあなたが「人前が怖い」と悩んでいるのも事実です。
判断に迷った場合は専門の医師の方に相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?
もしSADであると判断されればそのまま治療を受け、SADでなければ継続的な治療を受けずに、「緊張する前に飲む頓服用の薬をもらうだけ」といった対処ですむかもしれません。
「迷ったら専門家に相談しよう」と思うのが大事だと思います。
医師との対話の重要性
もしあなたがSAD(社会不安障害)の治療を受けると決めたのであれば、初回診察のときは医師の方に自分の症状を素直に伝えましょう。
医師の方もプロですから、SADの症状がどんなものか十分に知っていますし、「患者さんはこういうタイプの人が多い」ということもわかっています。
恥ずかしがらずに、自分の今までの経験で「こういうことがありました」ということを率直に話しましょう。事前にSADの症状だと思ったことを紙に書いておいて、診察時にそれを見ながら話すのも良いと思います。
私の場合は初診時に今までの経験の中でSADの症状だと思ったことを素直に伝えたところ、医師の方が話にうなづきながら「大変でしたね」と返していただいたことが印象に残っています。
「わかってくれる人がいるんだ」と思えたことと、誰にも言えなかった自分の気持ちを素直に他人に話せたことだけでも大分気持ちが楽になるものです。
初診時には「医師に素直に症状を伝える」という言葉を忘れないでください。
チェックシートで診断!
あなたがSAD(社会不安障害)であるかどうか下記のチェックシートで大まかな診断ができます。紙と鉛筆をご用意いただいてからご覧ください。
▼~SAD診断表~▼
下に24個の質問が書かれた表があります。
その問に「恐怖感/不安感」がどの程度あるのか点数をつけていただきます。
点数は
0:まったく感じない
1:少しは感じる
2:はっきりと感じる
3:非常に強く感じる
の4段階で記入していってください。
1.人前で電話をかける
2.少人数のグループ活動に参加する
3.公共の場所で食事をする
4.人と一緒に公共の場所でお酒(飲み物)を飲む
5.権威のある人と話をする
6.観衆の前で何か行為をしたり話をする
7.パーティに行く
8.人に姿を見られながら仕事や勉強をする
9.人に見られながら字を書く
10.あまり良く知らない人達と話し合う
11.あまり良く知らない人に電話をする
12.まったく初対面の人と会う
13.公衆トイレで用を足す
14.他の人達が着席して待っている部屋に入っていく
15.人々の注目を浴びる
16.会議で意見を言う
17.試験を受ける
18.あまり良く知らない人に不賛成であると言う
19.あまり良く知らない人と目を合わせる
20.仲間の前で報告をする
21.誰かを誘おうとする
22.店の品物を返品する
23.パーティを主催する
24.強引なセールマンの誘いに抵抗する
以上になります。
24個での合計点を出してそれをメモしてから、もう一度最初から、今度は違う基準で点をつけていただきます。
24個の質問(状況)に
0:まったく回避しない
1:回避する(1/3以下の確率)
2:回避する(1/2程度の確率)
3:回避する(2/3以上の確率。もしくはほぼ100%)
の基準でどのくらいその状況を回避するのかを計算してみてください。
それでは診断表の最初に戻り、2回合わせた合計点を計算してみてください。
▼~SAD診断表~(終)▼
合計点はどのくらいになったでしょうか?
全て「3」になった場合は「(24×3)×2=144点」となります(これが満点になります)。
SADの患者はこの合計が50点以上になることが多く、100点くらいにまで達すると社会的な活動が極めて困難になってしまいます。
50点以上になってしまった人はSADの可能性が高いので、なるべく早期に医師の診察を受けることをおすすめします。
※なお、この診断表は「笠原敏彦『対人恐怖と社会不安障害』・ISBN-4772408630 65ページ」より抜粋致しました。
病院と治療法
SAD(社会不安障害)は治療が可能な病院がはっきりと存在し、、科学的な治療法も確立されています。きちんと段階をふんでゆけば必ず治る病気です。
治療ができる病院
SADの治療は心療内科や精神神経科を取り扱っている病院で行えます。かかりつけの医師の方に紹介してもらったり、インターネットなどで検索してみるのも良いでしょう。
最終的に治療する病院を選ぶ際のポイントとしては、通院に便利な場所にあることや、実際に病院に電話をしてみて対応に問題のないところが良いと思います(ただしSADの人には「電話をする」ということにも勇気がいる人が多いです(私もその一人です))。
SAD患者にとっては病院に電話をかけるのも、実際に病院に行ってみるのにも、最初の一歩に大きな勇気が必要だと思います。
しかしながら、SADは必ず治療できます。
もしあなたがSADに悩んでいるのならば、勇気をもって最初の一歩を踏み出してみてください。結果は必ず後からついてきます。
これはSAD治療を一歩先に始めた私からの精一杯の言葉です。
治療法
治療法の基本としては投薬治療と認知行動療法の2つがあります。
どちらか1つではなく、できれば2つとも併用してゆくことが望ましいと言われています。
投薬治療では抗不安薬や過度の緊張をやわらげる薬、SSRIと呼ばれる長期的に不安をとりのぞく薬などを飲み薬として服用してゆき、徐々に過度な不安感や緊張感をやわらげてゆく治療法です。
認知行動療法はいままで避けてきてしまった状況、例えば人前でのスピーチなどに医師の指導の下でトレーニングとして望み、徐々にそうした状況に慣れてゆくというものです。
治療としては基本は投薬治療が中心となります。認知行動療法は現在のところ国内では十分な経験を積んだ医師が不足しているために行える医院は限られています。
そのため、現在の日本では薬を飲んで不安を徐々に和らげてゆき、その中で患者がどうしても人前でのスピーチなどを避けられなくなった日に限って通常とは違うタイプの抗不安薬などを飲むという治療パターンが多くなっています。
原因とメカニズム
SAD(社会不安障害)にははっきりとした科学的な原因とメカニズムがあります。単純に「性格の問題」と片付けることはできません。
様々な原因
SADが発症する原因は主に遺伝的なものと環境的なものがあります。SAD患者の近親者(親、きょうだい等)もSADである確率が高くなるようです。しかし、遺伝的なものより環境的な要因の方がより強く影響すると言われています。
例えば、引っ込み思案な子どもの場合は親もそうしたタイプの人が多く、親の姿をみてそれを子どもが学習してしまうケースがあります。また、過保護に育てられたり、反対に厳しく育てられすぎた場合にも「ストレスをうまく処理する」ことを学ぶ機会が少ないためにSADになる場合が多くあります。
または「とても恥ずかしい思いをした」という、過去の経験が発症の引き金になる例もあります。
このようにSADの発症となる原因はいくつかのものが合わさっており、特定できない場合が多いです。また、たとえ原因を特定できたとしてもSADが治るわけではなく、医師の適切な治療が必要となります。
メカニズム
なぜSADの患者は症状と症例にあるような現象が起こるのでしょうか?
脳内の神経伝達物質である「ドーパミン」と「セロトニン」という2つの物質が減少することによりSADが発症します。
この神経伝達物質が減少することによって脳幹からの指令が正しく調節できなくなり、脳の外側にある「大脳新皮質」が過度に興奮してしまい、普通の人よりも緊張感や不安感が強くなってしまうのです。
つまり、この<「ドーパミン」と「セロトニン」が正常な量になると脳が過度に興奮(緊張)することを抑えてくれるために、SADの治療はドーパミンとセロトニンの量を適切な値に戻し、不安を生じにくくさせることを目標とします。
症状と症例
SADの患者には共通する症状と症例があります。程度の差こそあれ、下記の症状と症例に思い当たることが多い人は社会不安障害をわずらっているかもしれません。
具体的な症状
具体的にSADの患者は以下のような症状をもっています。
◇人前で話そうとすると極度に緊張してしまう
◇他の人の前で電話にでるのが怖い
◇人前で字を書くと手が震えてしまう
◇あまり親しくない人といっしょだと食事がのどを通らない
◇社会的な目上の人の前では緊張してしまいうまく話せない
◇他人と1対1になるのが怖い
◇顔見知り程度の人の集まりが嫌
◇他人の視線が怖い
◇「自分の視線が人に不快感を与えているのでは?」と感じてしまう
◇自宅以外の場所では常に緊張している
◇他人のちょっとした反応に敏感
◇どこにいても孤立してしまう(大勢の人が集まる場合でも)
◇他人とどうやってコミュニケーションをとればいいのかわからない
もしこの中に当てはまる状況がいくつかあるならばSADの可能性があります。
よく起こる症例
上記のような状況に会った場合、SADの人は以下の症例がでます。
◇顔が赤くなる
◇吐き気がする
◇口が渇く
◇動悸がする
◇手や足がふるえる
◇息苦しさを感じる
◇顔がこわばる
◇汗をかく
◇めまいがする
人の注目を浴びる状況ではこのような症状がでるためにそうした状況を避けようとしてしまいます。その結果、ますます社会とのかかわりが薄くなってゆきます。
SAD(社会不安障害)とは?
SAD(社会不安障害)とは「social anxiety disorder」の略語で、「人前で何かをする」という状況に「強い不安を感じてしまう」症状のことをさします。
患者の特徴としては「他人の注目にさらされるような状況に対する恐れ」、または「自分が恥をかいてしまう行為をしてしまうのではないかと思う恐れ」をもっている点とされています。
もちろん大勢の人の前でのスピーチをしなければいけないときなどは誰でも緊張してしまうものですが、SADの患者はそうした状況に「極めて強い不安感」を感じ、そうした状況を避けてしまう傾向があります(どうしても避けられない場合は強い不安と苦痛を感じてしまいます)。
もしあなたが「注目を浴びる」ということに対して日常的に強い不安を抱くことがあるならばSAD患者の可能性があります。
意外に多い患者数
まだまだ社会的に広く知られていないSADですが、その患者数は日本だけで300万人以上いるといわれています。決してまれな症状ではありません。
「自分だけが異常」なのではなく、多くの人が似たような悩みをかかえているのです。
SADが発症する年齢の平均は22歳くらいと言われています。早い人は10代中盤から20才くらいまでの間に発症しますが、40歳前後で発症する例も多くあります。
そして「SADは放っておけば治る」病気ではありません。むしろ放置しておくと苦手な状況を避け続けることになり、うつ病などの症状がでてきてしまうこともあります。
もし「自分がSADかも」と思うのであれば早めに医師の診察を受けてみましょう。
放っておくと大変なことに
改めて繰り返しますが、SADは放っておいて自然に治るものではありません。
放置しておくと人前に出る状況をますます避けるようになり、社会との関わりがうすくなってゆき、結果として他人とどう接してよいのかわからなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
「自分はSADかも」と思ったら医師の診察は必ず早めに受けてください。緊張をやわらげる薬を服用するだけでも他人と接するのがずいぶんと楽になります。
早期の治療があなたを救います。
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